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患者を見せ物にしていた精神病院

1247年に修道院として創立され、後にヨーロッパで最初に設立された精神病院となった王立ベドラム病院。

ロンドンにある最古の精神病院では、資金調達のため日曜日になると1人1ペニーの入場料をとり収容されている人々を見学させていました。観光名所となった病院では、1815年の記録からは年間10万人の見物者がいたと推定されています。

患者を見学する者の中には、鉄格子の向こうから患者を突いて興奮させるための杖の持ち込みも許可されていました。病院という名がついてはいますが、抗禁的施設(人間の身体的自由を奪うための施設)としての役割が主となっており、足枷などの拘束具の使用や鞭打ちといった暴力によって患者を大人しくさせようとしていました。

精神疾患の理解が進んでいないため、治療も鎮静化を図るとして患者を強制的に立ち続けさせる強制起立具や視覚を遮断させる鎮静椅子のに長時間座らせるといったものが多く使用されています。遠心力で目眩や嘔吐を生じさせる事が有益な効果を生むとする考え方のもと患者をベッドや椅子に縛り付け回転させ続けるといった拷問のような治療器具も発明されており、苦痛に苦しむ患者を営利目的に見せ物にするmad businessが蔓延っていました。

精神疾患を抱える方への残酷な仕打ちは18世紀ごろから社会問題となり、取り締られていき少しずつ現代の精神医療に繋がっていっています。これらは精神疾患への偏見や理解の乏しさから怒ってしまった悲しい実話であり、このような歴史を繰り返さないためにも正しい病気の理解と支援の手が必要と考えられます。

引用:作業療法学全書 精神障害

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